
こちらの作品が2016年で興行収入が250億で、歴代の作品でもメガヒット(歴代4位?)といってもいい作品なのかなと思います。俺は2016年公開当時に観て、改めて2回目観てみましたので、そのレビューをしていきたいと思います。
口噛酒は物語だけの話ではなかった
以下画像全て (C) 2016「君の名は。」製作委員会. INTRODUCTION
とてつもなく映像が綺麗なので、これだけでも結構うっとりしてしまうというか、他と差をつけているところかなと思いますね
で、まぁこのお話は民俗学的なところがあるので、それを少し自分なりの解釈を元に喋りたいと思います。
このお話にある「口噛み酒」は物語だけの話ではなくて、古来日本では縄文時代からあったそうで、古くからの記述にも古事記や万葉集にもその記述があるんですね。(wiki参考)
じゃあ何でそもそも口噛み酒なるものがあるかってことなんですけど、化学反応を応用させたやり方で、デンプンを含む食べ物、要はお米や麦、芋とか豆とかを口の中に含むと、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がデンプンを糖に変えるわけなんですね。んで、その糖を吐き出して、空気中に置くと、発酵してアルコールになるわけなんです。
だから「口噛み酒」っていうわけなんですね。東南アジアにルーツを持っているようですが、現在で慣習として行われているところはないようです。こういうのって結構面白いですよね。今のものって意外と昔からの流れでこうなったみたいなものもあるんで、それを紐解くと非常に面白いです。
誰そ彼(たそかれ)時

あと劇中にもありましたけど、黄昏について。これはいわゆる「誰そ彼(たそかれ)」が元になっていますね。
夕方ぐらいに誰か分からなくなる事から派生したもの。これは私の勝手な解釈ですが、基本的に夜以外の時間帯というのは、お互いの存在がはっきり認識出来てしまう時間帯なんですよね。
逆に言えば、夜は存在が全く見えなくなるわけで、ぼんやりと見えている状態の黄昏時はグレーな時間帯なわけで、学校の授業時に出てきたこの地方の方言である「片割れ時」というものを言葉として重なるように示唆したかったんじゃないのかなと。
つまりミツハとタキっていうのは、交互に身体が入れ替わるわけで、それは二つが一つになっているわけなんですよね。
脳がミツハで身体がタキ。脳がタキで、身体がミツハの状態なわけですよね。お互いの片割れが唯一見える時間帯、片割れ時だからお互いがお互いの存在を認識出来得るレベルまでいくと多分そういうことじゃないかな。だから片割れ時を過ぎちゃうとまたお互いを認識出来なくなる。
ちなみに組紐は日本の伝統工芸品の一つなんですが、2017年5/11放送の「世界!ニッポンへ行きたい外国人」の組紐を愛するフランス人ってやつを見るとよくわかります。まだyoutubeで観れると思うんで、良かったら是非。俺この番組のファンでかなり観ているんですよね。
いわゆる模範生的作品

んでね、このお話は結局、まぁいわゆるハッピーエンディングで終わるわけなんですけど、歴史を変えたりしたとしても、結局は最終的には変わらないというのが時間系の定説になっているんですよね。
他の世界の時間軸を動かしても、結局は別の時間軸で調整を行うので、大局面では変わらないように出来ていることってことです。
じゃないとこういう風にハッピーエンドになって、すっきりした感じになってしまいますし、何よりそもそも歴史というのは、終わった出来事であり、それは時の流れなので未来から強引に歴史を変えることで、過去が変わるっての手法は、それは神の領域なのであって、人間の領域でそれをやっちゃあかんと俺は思うんですけどね。
それはそうと今書いてて思ったのが、よくよく考えたらドラえもんも完全に時間軸のお話ですね。元々のび太はジャイアンの妹と結婚予定だったのを、強引に未来を変えてしまったわけですから。
この映画がみんなが好きになって、大ヒットなんだけど、そらまぁそうだわなぁという。いわゆる大衆向けの作品かなぁと思うんですよね。勿論完成度は高いのだけれど、なんというか敵を作らない作品なんですよね。要は。
エッジを効かせた作品では無いので、マイナスポイントが出にくいよなぁと思ってしまう。面白いか面白く無いかで言われると普通かなと思っちゃうわけなんですね。
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